学会と1年間

日本デジタルゲーム学会(DiGRA JAPAN)という学会にて、インタラクティブセッション形式で開発したシリアスゲームを発表した。インタラクティブセッションは開発したコンテンツを来場者に実際に体験してもらい、直接そのフィードバックを貰うことができるという形式である。

3年の春に研究室に配属されてから、約8ヶ月かけて3人チームでサーベイ、実装を行なった。僕の研究室はアカデミックなものというよりは、社会問題解決に繋がるものを開発するというのを軸としている。

僕たちのチームは自分たちで出し合ったテーマで取り組んでいたので、(僕は)作業が苦痛ではなかった。アイデアの壁にぶつかる時もあったが時間と気合でなんとかなっていた。

この1年間で身についたことは沢山あった。

プログラミング技術だけでなく、リーダーとしてのチームビルディング、モノづくりに対する意識などが挙げられる。

 チームで開発するのは大変であった。個々の能力や割ける時間、モチベーションが異なっているため、実装が進むに連れて徐々に距離感が生まれてしまった。スタート地点はさほど変わらなかったはずだが、気がついたら開発作業量はかなりの違いが生まれてしまっていた。そして最後の追い込みは僕の個人開発となってしまった。

 このプロジェクトでの制作物は、最終的に自分たちが満足するレベルまで作り上げることができた。インタラクティブセッションでは貴重なご意見を沢山いただいた。僕たちのプロジェクトはまず第一に面白いと思えるものにし、そして社会的意義があるものを作る。という意識だった。そして今日いただいた意見の中に、改良を重ねビジネスとして成り立つものを目指して欲しいという意見をいただいた。

タダで新しいもので遊ばせたら良好な評価が得られるのも当然。独りよがりにならずに、マーケットやビジネスを認識しなければならない。そう強く感じた。

僕は今回の発表が終わり、とても清々しい。そして、来年度からは卒業研究が始まる。一連の研究の流れを知ることができたので、スムーズに進められると思う。今回作ったものは引き続き改良を重ね、ビジネスとして成り立つものに仕上げたい。